巨額の財政出動奏功も、経済損失は今後6年間で約3000兆円と試算
国際通貨基金(IMF)は10月13日、世界経済見通しを改定した。2020年の経済成長率は前年からマイナス4・4%で、今年6月の従来予想から0・8ポイント上方修正した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済情勢悪化で先進国などの政府が巨額の財政出動に踏み切ったことなどが奏功してきたと判断。一方で、25年までの今後5年間で成長鈍化による経済損失は総額28兆ドル(約3000兆円)に上るとの試算を公表、先行きに厳しい見方を示した。
予想が引き上げられたとはいえ、20年の成長率はリーマンショック直撃後の09年(マイナス0・1%)を依然大きく下回っており、データの比較が可能な1980年以降では最悪の水準だ。
21年は世界全体で5・2%の成長を見込むが、6月の時点からは0・2ポイント引き下げた。
(藤原秀行)