アプリ開発に活用狙う
インターネットスーパー立ち上げ支援を手掛けるスタートアップ企業の10X(テンエックス)は11月2日、事業拡大に伴い、東京都中央区東日本橋の新たなオフィスに移転、同日営業を開始したと発表した。併せてソフトウエアエンジニアなどの職種の採用活動も強化し、2021年末までに組織を現在の2倍まで拡大する計画。
10Xは今年5月、小売事業者がネットスーパーを大規模な初期投資なしで迅速に始めることが可能なサービス「Stailer(ステイラー)」をスタート。6月にはイトーヨーカ堂が展開しているネットスーパー向けアプリの提供を始めた。
ステイラーは既に大手スーパーや小売事業者など50社以上から問い合わせが寄せられており、新サービスは20年中にリリースする計画。今後も事業の伸長を見込んでいるため、旧来の面積の3倍となる108坪のオフィスに本拠を移した。
新たな試みとして、サービスの開発や検証に生かすため、新オフィスには「10Xピッキングラボ」を開設。ステイラーで提供する店舗・スタッフ向けのピッキング・パッキング専用アプリ開発に向け、スーパーマーケットなどの店舗オペレーションを再現できるようにしている。
10Xでは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社員がそれぞれ勤務形態をオフィスとリモートのいずれか自由に選択できるようにしたほか、週1回原則出社の「オフィスデー」を設け、新入社員の育成や社内の意思疎活性化などを図っている。新オフィスも人材採用や就労環境向上に生かしていく構えだ。
新オフィスにはオンライン会議に対応したブースやコミュニケーション促進のためのリラックススペースも備えている。
10Xの矢本真丈CEO(最高経営責任者)は「一度はオフィスを持たない経営も検討したが、リモートの価値、オフィスの価値を組み合わせることで事業をより力強く推進できると確信し、共存できる自社オフィスを志向して拡大移転することを決断した。今後も事業を力強く推進するための最適なワークスタイルを模索・実践していく」とコメントしている。
新オフィスの内部(以下、いずれも10Xプレスリリースより引用・クリックで拡大)
(藤原秀行)