新規感染減も、医療提供体制逼迫続き12日は見送り
政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対策特別措置法に基づき東京、大阪など10都府県を対象に1月8日から発令している緊急事態宣言について、解除の判断は来週の2月15日以降に持ち越される見通しとなった。
新規の感染者数が減少傾向にあることなどから、政府は2月12日に感染症の専門家らが参加している諮問委員会に、一部地域の同宣言発令解除を諮る方向で検討してきた。しかし、病床の使用率が依然高いなど、医療提供体制の逼迫が続いている点を問題視。10都府県の知事から解除を求める声が強く出ていないのも踏まえ、解除の是非に関する判断を12日中に行うことは見送る公算が大きくなった。
ただ、医療提供体制の逼迫に関しては、政府や地方自治体の対策の遅れが影響している側面もあり、経済への影響が大きい同宣言を継続することには産業界などから疑問や不満の声も出ている。
(藤原秀行)