「冷凍・冷蔵倉庫という名の化け物」と歩んだ70余年

「冷凍・冷蔵倉庫という名の化け物」と歩んだ70余年

ヨコレイが技術面に焦点当てた創業からの歴史を刊行

横浜冷凍(ヨコレイ)はこのほど、創業から70年余りの歩みをまとめた「冷凍・冷蔵倉庫技術史」を刊行した。

建物や設備、機械など技術面にスポットを当てているのが特徴で、「冷凍・冷蔵倉庫という名の化け物」というタイトルがユニーク。単に商品を保管するだけでなく、きめ細かな温度管理など求められるレベルが高まり、物流面まで目配りが必要になってくる歴史を、結露やカビといった をいかに防ぐかという闘いとともに回顧。冷凍・冷蔵倉庫がいかに大きく姿を変える“化け物”であるかという側面もアピールしている。


「冷凍・冷蔵倉庫技術史」の表紙

冒頭では同社の松原弘幸社長が、品質の向上や機能性追求など冷凍・冷蔵倉庫のレベルアップに取り組んできた過程の概要を伝え、「(読者の)面白さ、驚き、気づき、興味をかきたてる1冊になることを切に願う」と紹介。

続いて、吉川俊雄会長が「未来に向け(環境配慮などの)ファクターを網羅した冷蔵倉庫の設計や開発に取り組まなければならない」と決意を表明している。

さらに、同社技術顧問で一級建築士の俵谷莞三氏がエッセイの中で「冷蔵施設の変遷の速さに驚きを感じている。冷蔵倉庫は『化け物』であり、私はこれからも生涯戦い続け、挑戦し続けることをここに宣言する」と語っている。

本文では、各拠点の歴史などを詳細に掲載。冷媒が環境負荷の低いものに移り変わっていったり、結露を防ぐための対策考案に苦労したり、九州で焼酎用冷凍サツマイモの取り扱いを増やしていったりと多様なストーリーが盛り込まれている。

さらに昨今はニーズが強まっている庫内作業効率化に向け、移動棚やカーゴナビゲーションシステムを取り入れるなど、技術進歩の話にも数多く言及。冷凍・冷蔵倉庫の入門書とも言えるバラエティーに富んだ内容となっている。

(藤原秀行)

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