薄鋼板輸送の大半をフェリーに切り替え、距離も短縮
国土交通省は3月25日、トラック輸送から海上輸送へのモーダルシフトを進めるために革新的な取り組みを行った事業者を対象とする「海運モーダルシフト大賞」に、自動車向け薄鋼板を手掛ける五十鈴東海(愛知県安城市)と日本通運名古屋南支店名古屋製鉄事業所(同県東海市)を選んだと発表した。
同大賞は今年が2回目。国交省によると、両社は東北エリアで大手自動車メーカーが手掛ける部品の原料となる薄鋼板を供給する際、輸送の大半は名古屋港~仙台港のフェリー輸送に切り替えるとともに、従来は岐阜と静岡の異なる出荷拠点で加工していた製品に関し、より名古屋港に近く輸送距離を短縮できる岐阜からの出荷割合を高め、輸送時のCO2排出大幅削減やトラックドライバーの拘束時間短縮を実現した。
さらに、輸送の際、出荷時の梱包方法や安全な積み付け方を独自に構築するなど、モーダルシフトを安定して進められる体制を整備した点も評価された。今年は新型コロナウイルスの感染対策のため、表彰式を実施しない。
(藤原秀行)