孤立集落への迅速な物資運搬後押し
物流向けドローンの開発を手掛けるSkyDriveは6月25日、物流ドローンの災害時活用と社会実装促進に向けた協定を愛知県豊田市と締結したと発表した。
豊田市は山間地域の居住者が多く、大規模な地震や風水害等の災害によって道路が寸断された場合、山間部の救援物資の供給が困難になるとの課題を抱えていた。
同社は2020年12月、愛知県や豊田市と大規模地震時の物流ドローンを活用した孤立集落への物資運搬を想定した「災害物流訓練」を実施するなど、災害時のドローン活用について検討を重ねてきた。
今回の協定書締結により、災害発生時に豊田市の要請に基づき、SkyDriveが製造する約30キログラムの荷物運搬が可能な物流ドローンを提供。孤立した被災地域への迅速な救援物資・備蓄物資の運搬を後押しする計画だ。
最大30キログラムの荷物を運搬、着陸せずに荷降ろしするホイスト機構を搭載可能
ワンボックスカーで運搬できるコンパクトサイズ
また、平時にも物流ドローン活用の検討と必要な実証実験を共同で行うことにより、豊田市における物資運搬の選択肢を増やし、豊田市民の安全と地域の持続的な発展を目指すとともに、SkyDriveの災害以外の分野での物流ドローンの事業化を支援する。
豊田市が災害時における物流ドローンの提供などに関する協定を締結するのは初めて。SkyDriveにとっても豊田市が対自治体として初めての災害時におけるドローンの活用に関する協定の締結先となる。
協定締結後の撮影に応じるSkyDrive・福澤知浩代表取締役CEO(最高経営責任者、左)と豊田市・太田稔彦市長(右)
※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
太田稔彦 豊田市長
豊田市の災害対応力の向上や、物流ドローンの社会実装の促進に向けた連携の強化につながる本協定を締結できますことを大変うれしく感謝申し上げます。豊田市は市域に広大な山間地を有しており、災害時には、多くの箇所で土砂災害が発生する危険性を抱えております。災害時に空路での輸送手段を確保できることは、孤立集落への支援を検討する上で重要であり、物流ドローンを豊田市の災害対応力の向上に活用していきたいと考えています。
また、本協定の締結を機に、災害以外の様々な分野での利活用についても両者一体となって模索し、地域課題の解決に向けて、より一層、力を入れて取り組んでまいります。
SkyDrive 福澤知浩 代表取締役CEO
豊田市様からは創業以来、『新産業創出へ向けた「空飛ぶクルマ」開発に関する連携協定』の締結をはじめ、弊社の開発拠点のご提供など様々な形でご支援いただいております。この度、新たな協定締結により、豊田市で生まれた物流ドローンを活用して市民の皆さまに貢献させていただくスタート地点に立てたことを、大変うれしく思います。
災害は起こらないに越したことはないですが、有事の際にも物流ドローンを活用して迅速に物資供給を行う仕組みを整え、より安心して暮らせるまちづくりの一助になればと思います。また、都市部と山村部がバランスよく存在する豊田市で、様々なユースケースを実証していくことにより、物流ドローンの価値をより一層高めてまいります。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)