インフラ・物流分野のDX推進に70億円計上
国土交通省は8月26日、2022年度予算の概算要求を発表した。一般会計ベースで21年度当初予算比18%増の6兆9349億円を計上した。
自然災害の続発や地球温暖化の進展を受け、防災・減災や国土強靭化、脱炭素の領域に重点配分。また、政府が新たな経済成長の原動力に位置付けている「グリーン化」や「デジタル化」など重要分野の推進に向けた特別枠「新たな成長推進枠」には1兆5989億円を充てている。
概算要求は①国民の安全・安心の確保②社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大③豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり――の3点を重点項目として設定。
物流関連では、三大都市圏環状道路の整備、ダブル連結トラックによる省人化など効率的な物流ネットワークの強化に4369億円、国際コンテナ戦略港湾などの機能強化に625億円、船舶の低・脱炭素化など港湾・海事分野のグリーン化推進に682億円を列挙している。
また、千葉県八街市で今年6月に起きた飲酒運転のトラックによる小学生5人死傷事故を受け、通学路の合同点検などを実施する交通安全対策推進は24%増の2265億円を求めている。
ITを駆使した効率的な物流網構築の促進などインフラ・物流分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のため、80%増の70億円を要求している。他には物流の生産性向上やCO2排出削減の実証事業実施、「高度物流人材」の育成・確保のための調査などに1・28億円、アジアを中心とした質の高い物流システムの構築・国際標準化の推進に3000万円、ドローンの国際標準化推進に向けた戦略策定などに4900万円をそれぞれ要求している。
25年度までに集中的に防災・減災を進める「国土強靱化対策」の関連事業は金額を明示しない事項要求として盛り込んでおり、今年末にかけて上積みを図りたい考え。
(藤原秀行)