「脱炭素港湾」実現へ荷役機械の電動化・省エネ化など列挙、21年中めどに工程表作成

「脱炭素港湾」実現へ荷役機械の電動化・省エネ化など列挙、21年中めどに工程表作成

国交省の官民検討会が中間取りまとめ、水素やアンモニアの受け入れ体制整備も訴え

国土交通省は8月31日、港湾の温室効果ガス排出削減を図る「カーボンニュートラルポート(CNP)の形成に向けた検討会」(座長・小林潔司京都大経営管理大学院特任教授)が取りまとめた今後の施策の方向性に関する中間とりまとめを公表した。

政府が2050年に国内の温室効果ガス排出量を実質的にゼロとする「カーボンニュートラル」を目指しているのを踏まえ、各地の港湾でも排出抑制の取り組みを進めるとともに、船舶の燃料などに環境負荷が低い水素やアンモニア、LNG(液化天然ガス)が多く使われるようになると見込まれるため、港湾を受け入れ拠点としても整備していくことが重要と指摘。

具体策として、陸上から船舶へ電力を供給する設備の早期実用化に港湾が率先して取り組むことや、荷役機械の電動化・省エネ化を進めること、ヤード内照明にLEDを採用すること、港湾ターミナルでトレーラーが混雑している状況の解消へデジタル物流システムを構築することなどを列挙した。

また、水素などの輸入受け入れに関しては、既存の港湾設備を極力活用しながら、燃料タンクなどを整備していく必要性を強調。洋上風力発電を加速させることも打ち出した。

さらに、同検討会で引き続き議論を深め、21年中に施策の方向性を正式に取りまとめるとともにCNP実現へ各施策の工程表を決める方針を表明。各港湾の運営主体など向けに整備計画立案のマニュアルを作成することも確認した。

(藤原秀行)

中間とりまとめはコチラから(国交省ホームページ、一番下)

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