丸紅ベンチャーズ、「宇宙のガソリンスタンド」開発目指す米企業へ出資

丸紅ベンチャーズ、「宇宙のガソリンスタンド」開発目指す米企業へ出資

人工衛星へ燃料補給可能に、機械類の利用効率向上と長寿命化支援

丸紅グループでスタートアップ企業への投資を担う丸紅ベンチャーズは9月8日、軌道上の人工衛星への燃料補給サービス実現に向けた「宇宙のガソリンスタンド」開発に取り組んでいる米Orbit Fab(オービットファブ)に、航空宇宙大手Northrop Grumman、Lockheed Martin Venturesなどとともに出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。


「宇宙のガソリンスタンド」Orbit Fab

2018年設立のオービットファブは、宇宙空間の軌道上にある人工衛星に容易に燃料を補給できるインフラの構築を推進。LEO(地球低軌道)とGEO(対地静止軌道)、シスルナ空間(地球と月の間)に補給用燃料を積んだタンカーと人工衛星に燃料を届けるシャトルを配置することを構想している。

衛星運用者は軌道上で燃料を調達可能になるため、開発経費を抑制できるほか、機械類の利用効率向上と長寿命化、新しい柔軟なビジネスモデルの構築にもつながるとみている。オービットファブは燃料補給インフラが将来、宇宙経済の繁栄を支えると想定しており、丸紅ベンチャーズは投資で事業化を後押しする。


燃料ステーション「Tenzing」の外観

オービットファブの最初の製品は「Rapidly Attachable Fluid Transfer Interface」 (RAFTI)と呼ばれる、既存の衛星の燃料充填バルブを代替できる燃料補給ポート。6月に打ち上げた世界初の軌道上燃料ステーション「Tenzing」に搭載されている。


宇宙空間での燃料補給を可能にする燃料ポート「RAFTI」の外観

19年にオービットファブは民間企業として初めてISS(国際宇宙ステーション)に水を補給し、同社の供給システムと貯蔵タンクをわずか6カ月でNASAのクルー定格システム(人間に対する安全性)の基準に適合させることができた。着実に実績を積み重ねている。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事