HACCP対応効率化、1店舗当たり紙使用を月40枚削減
工場や店舗などの現場作業効率化とペーパーレス化を実現するソフトウエア「カミナシ」を手掛けるスタートアップ企業のカミナシ(東京都千代田区神田鍛冶町)は9月22日、外食大手のロイヤルホールディングス(HD)グループがカミナシを導入したと発表した。
ロイヤルHD傘下のロイヤルフードサービスが運営しているファミリーレストラン「ロイヤルホスト」と天丼・天ぷら専門店「てんや」の直営店舗など約350店舗で利用を開始した。
衛生管理の国際基準「HACCP(危険度分析による衛生管理)」に対応し、冷蔵庫の温度が適正かや食材の賞味期限を順守できているかなどの項目の管理記録を、従来は紙で実施しており、10枚程度の帳票を店舗内に常備。1日に30~40分程度、対応に要していた。カミナシに変更することで、1店舗につき1カ月で約40枚を削減できたほか、ファイリングなどの作業も不要となり、業務効率化につながった。
さらに、紙の帳票削減でキッチン内にボールペンやバインダーを持ち込む必要がなくなり、同じ帳票を使い続けなくてもよくなったことから、店舗内の衛生レベルも向上した。
カミナシはプログラミングの知識がない人でも容易に店舗の運営実態に即してアプリを作成できるのが特徴。ロイヤルフードサービスもシステム部門に大きく依存せず活用、本部と店舗両方の業務効率化を促進できているという。今後は外食事業以外への応用とともに、店舗の監査業務など品質管理以外の領域にもカミナシを採用することを検討している。
店舗でのカミナシ利用のイメージ(カミナシ提供)
(藤原秀行)