コロナワクチン接種進み経済活動再開受け、22年は4・7%増に減速
世界貿易機関(WTO)は10月4日、世界の貿易量に関する調査結果を公表した。
2021年は前年から10・8%増えると予測。新型コロナウイルスのワクチン接種が世界で進んでいるのに伴い、経済活動が本格的に再開されているのを踏まえ、3月末に公表した見通し(8・0%増)を引き上げた。20年(5・3%減)からの回復が鮮明となっている。
2桁の伸びに届いた場合、リーマンショックによる打撃から世界経済が持ち直した10年(13・9%増)以来、11年ぶりとなる。ただ、WTOは「地域格差は依然大きい。一部の開発途上地域は世界の平均を大きく下回っている」と懸念を示した。
一方、22年は4・7%増で、3月末時点の4・0%増から上方修正したが、21年からは減速するとみている。
WTOのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ事務局長は「貿易はパンデミック(大規模感染)と闘う上で重要なツールであり、この力強い成長は貿易が世界経済の回復を支える上でいかに重要であるかを強調している」とコメント。
同時に「コロナワクチンへの不公平なアクセスは、地域間の経済格差を悪化させている。ワクチンの不公平が長く続けば、新型コロナウイルスのさらに危険な変異種が出現する可能性が高くなり、これまでの健康と経済の進歩を後退させる」と警告した。
(藤原秀行)