倉庫内などの一時停止違反を検知・記録、接触事故解消に活用可能
JVCケンウッドグループで業務用システムを手掛けるJVCケンウッド・公共産業システムは、新たにフォークリフトの安全運転検知システムを開発した。
高性能のネットワークカメラなどを使い、フォークリフトが倉庫や工場の指定場所で確実に一時停止をしなかった場合、違反をすぐに検知・記録する。データを従業員の安全指導に活用することが可能だ。
顧客の物流現場で導入したところ、1カ月当たりの一時停止違反件数を導入前より9割以上減らすことができたという。JVCケンウッド・公共産業システムはフォークリフトと人や荷物の接触事故を解消するのに活用可能として、さまざまな現場に同システムの利用を働き掛けていく構えだ。
同システムは10月13~15日に東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催される物流の大規模展示会「国際物流総合展2021 第2回INNOVATION EXPO」に出展している。
フォークリフトの天面に、情報システム開発のシフトが編み出した、複数の色を組み合わせて並べることで白黒のバーコードより多くの情報を盛り込むことが可能な独自のバーコード「カメレオンコード」を貼り付け、上部からネットワークカメラで撮影。フォークリフトが停止した時間を瞬時に割り出す。あらかじめ設定した停止時間より短い場合、違反した時間帯などのデータをサーバーに記録するとともに、現場に設置している赤色灯を回転させ、オペレーターに警告することができる。
システムには違反した際の動画も収め、すぐに再生することが可能。個々のフォークリフトごとにどの程度違反しているか頻度を算出したり、どの場所で違反が多く起きているかを割り出したりとデータの分析にも対応している。JVCケンウッド・公共産業システムは安全運転検知システムの導入で現場の安全意識醸成を後押しできると見込む。
「カメレオンコード」のイメージ(JVCケンウッド・公共産業システム提供)
フォークリフト安全運転検知システムのイメージ(「国際物流総合展2021 第2回INNOVATION EXPO」のJVCケンウッド・公共産業システムブースで表示しているディスプレイを撮影)
同社は物流展でこのほか、カメラ映像から車両のナンバーを認識、物流施設などの車両入退場チェックを自動化する「車両ナンバー認証システム」を出展。受付や警備などの業務省力化につなげられるとアピールしている。
さらに、高効率な「H.265圧縮方式」を採用したネットワークカメラとネットワークビデオレコーダーを参考出品。物流施設の外周や構内を24時間、高画質で撮影し物流施設のセキュリティーを確保することも提案している。
物流業界は深刻な人手不足など課題が山積しているだけに、同社は得意とする画像認識などの技術を生かし、物流業界向けのソリューションを広げていきたい考えだ。
(藤原秀行)※イメージ写真もJVCケンウッド・公共産業システム提供