国内初のカラーテレビ工場、物流施設などの開発を検討
東芝が今年9月末に閉鎖した深谷事業所(埼玉県深谷市)の跡地に関し、大和ハウス工業が半分程度を取得することが分かった。このほど、東芝と取得に関する契約を締結した。
大和ハウスが購入を決めたのは、東京ドーム約6個分に相当する約29万平方メートルの敷地のうち、西側の約13万5000平方メートル。取得額は不明。東芝が実際に跡地を大和ハウスへ引き渡すのは2022年になるとみられる。
同事業所は幹線道路の国道17号線に隣接し、関越自動車道の花園ICから直線で5キロメートル程度。周辺には他のメーカーの工場が集まっている。大和ハウスは地の利の良さを踏まえ、建物の取り壊しが完了した後、物流施設や工場の開発を検討する見通し。
同事業所は1965年、国内初のカラーテレビ専門工場として発足し、69年にはブラウン管工場が操業をスタート。最盛期には約7000人が勤務し、日本でも随一の規模を持つテレビ生産拠点だったが、液晶テレビへの需要移行などに伴い生産量は減少。12年にテレビの生産を終了した後は航空機用のブラウン管製造を続けていた。
東芝は跡地の残り半分についても、引き続き売却先を探す。
(藤原秀行)