清水建設がトラックからの荷降ろし作業自動化するフォークリフト型搬送ロボ開発、物流現場への外販も視野

清水建設がトラックからの荷降ろし作業自動化するフォークリフト型搬送ロボ開発、物流現場への外販も視野

指定場所で資材を自己探索、搬送先まで自律移動

清水建設は3月4日、建設現場の資材搬送作業を省人化・省力化するため、フォークリフト型自動搬送ロボット「Robo-Carrier Fork」を開発したと発表した。

建設技能労働者は高齢化が進み、現場作業の省人化が建設業界共通の課題となっている。同社は建築工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site」に基づき、人と自律型ロボットが協働するロボット施工(Robot Work)を推進。資材搬送はパレット積みの資材を水平搬送する自動搬送ロボット「Robo-Carrier」と垂直搬送エレベーター「Autonomous-ELV」を組み合わせた自動搬送システムを既に実用化している。

資材搬送の省人化をさらに図るには、搬入トラックからの荷降ろしなどに対応できるフォークリフト型のロボットを新たに開発する必要があった。Robo-Carrier Forkが自動搬送システムのラインナップに加わることで、荷降ろしから間配りまでロボットによる一貫作業が可能になる。

Robo-Carrier Forkは、建設現場に加え、物流施設内での荷役作業の効率化にも寄与するとみている。同社は今後、建設現場への展開と併せて、物流事業者へのレンタルや外販も視野に入れて取り組み、社会実装を進めていく考えだ。

Robo-Carrier Forkは、SLAM(自己位置推定技術)を活用して自己位置を認識し、指定された場所まで自律的に移動する。荷役フォークの揚高は3メートル、積載重量は1トンで、資材の探索とパレット穴の検出を自律的に行い、荷取り作業を実行。ヤードに資材が段積みされている場合は資材の配置状況を探索した後、上段のパレットに狙いを定めてフォークを穴位置に差し込む。

荷降ろし時はヤードの状況を探索した上で、搬送済みの資材があればその上に段積み、資材がなければ地面に平置きするなど、作業場所の環境に即した柔軟な対応を行うことが可能。

ロボットへの搬送指示はタブレット端末のアプリ画面で行い、搬送したい資材と搬送場所を図面上で選択すれば荷積み場所への移動から、資材の探索・荷取り、搬送場所への移動・荷降ろしまでの一連の作業をロボットが自律的に遂行する。フォークリフト型ロボットをRobo-Carrier、Autonomous-ELVとクラウド連携させれば、荷降ろしから間配りに至る搬送プロセス全体をロボット化することができるため、資材搬送作業のさらなる省人化・省力化が期待できる。


(写真はプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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