バスドライバーの休息期間、「継続して9時間」に延長

バスドライバーの休息期間、「継続して9時間」に延長

厚労省の審議会作業部会で労使が合意、改善基準告示改正へ

厚生労働省は3月16日、労働政策審議会の労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会のバス作業部会をオンラインで開き、ドライバーの労働時間などを規制する「改善基準告示」の改正に向け、報告書案を提示、労使双方から同意を得た。

長時間労働の抑制のため、バスのドライバーを対象に、1日当たりの拘束時間の上限に関し、現行の原則13時間は維持した上で、特別に延長する場合は最大15時間と設定。その場合も1日の拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努力することを示した。

現状は延長時の最大拘束時間が16時間で、1日当たりの拘束時間が15時間を超える回数は週2回以内にすると定めている。報告書案は見直しに伴い、厚労省が全国への通達で14時間を超える回数の目安を「1週間に3回以内」と示すことを提案している。

一方、休息期間については、現行のルールは終業から継続して8時間以上の休息期間を与えることにしているのに対し、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないものとする」ことを盛り込んだ。

連続運転時間については、4時間までとする現行ルールから、高速バスや貸切バスで高速道路を走る際(貸切バスの夜間走行は高速道路以外も含む)は、おおむね2時間までに抑えるよう努めることを追加した。

厚労省は報告書の内容を踏まえ、2022年中をめどに告示を全面的に改正する方針。厚労省はタクシーのドライバーについても、別の作業部会が3月18日の会合で、同様の報告書案を提示する見通し。

トラックドライバーについては、今年7月ごろをめどに、他の作業部会が報告書を策定する。ただ、労使の間では拘束時間の長さなどをめぐって意見が平行線をたどっており、意見の取りまとめには相当の困難が見込まれる。

(藤原秀行)

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