多言語対応サインや礼拝室、ジェンダーレストイレなど導入、「再生緑地」も設置
三井不動産は3月31日、千葉県市川市で、月島機械と共同で開発した物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)市川塩浜Ⅱ」が竣工したと発表した。
地上4階建ての免震構造で、延べ床面積は18万3824平方メートル。満床で稼働したが、具体的なテナント企業の名前などは開示していない。
MFLP市川塩浜の外観(写真は全て三井不動産提供)
業界トップレベルのセキュリティ、BCP・感染症対策に加え、デッキテラスやカフェテリアラウンジなど、立地特性を活かしたリゾート感のある共用空間を整備。さらに、多言語対応サインや礼拝室、ジェンダーレストイレなどの様々な機能を取り入れ、グローバルで多様な働き方をサポートする。
生態系保全の取り組みとして、グリーンインフラを整備。太陽光発電設備や「グリーン電力提供サービス」など脱炭素に向けた取り組みに加え、4つの環境認証を取得。物流施設においても地域や環境との「共生・共存」を目指した街づくりを通して、持続可能な社会の実現に貢献することに力点を置いている。
高い天井のオフィス
45フィートコンテナ車両対応トラックバース
首都高速道路湾岸線の千鳥ICから約1.6キロメートルに位置し、東京外郭環状道路の高谷JCT開通に伴い、都内の主要エリアへのアクセスに強みを持つ。成田空港と羽田空港の中間に位置し、東京港へのアクセスにも優れている。
1階のトラックバースは国際基準(45フィートコンテナ車両)対応で免震構造、72時間対応の非常用発電機などを取り入れてBCP対策に尽力。車番認証や顔認証による入退館管理など、オフィスビルと同等のセキュリティ機能を持たせる。過剰荷積みを事前に防ぐトラックスケール(重量計)を設置するなど、ドライバーが安心して作業できる環境の整備に努めている。
車番認証システム
顔認証による入退館管理
トラックスケール
また、施設で働く従業員専用のポータルサイトを開設し、昼食時のお弁当やフィットネスジムを予約できるシステムを構築。娯楽室ではカードゲームやボードゲームが楽しめるようにするなど、様々なコミュニケーションの場を創出する。
新型コロナウイルス禍を考慮し、エントランスに手洗い場を設置したり、非接触型のエレベーターや各階トイレの利用状況可視化システムを採用したりと感染症対策を徹底している。
デッキテラス
カフェテリアラウンジ
エントランス
娯楽室
生態系保全をテーマとした「再生緑地(生態系を守る森)」を設置し、雨水を利用した「バードパス(鳥の水飲み場)」、土壌中の微生物による水質改善に寄与する「レインガーデン」など、地域のグリーンインフラを整え、周辺地域に生息する動植物の移動拠点になることを目指す。
屋上には、自用の太陽光発電設備(設備容量:約2,000キロワット、発電量:約200万キロワット時/年)の設置などで共用部使用電力の100%グリーン化を図る。専有部は入居テナントの要望に応じて柔軟に利用可能な「グリーン電力提供サービス」を提供、顧客のRE100やESGの課題解決、SDGsの推進をサポートする。
バードパス・レインガーデン
■施設概要
名称:三井不動産ロジスティクスパーク市川塩浜Ⅱ(MFLP市川塩浜Ⅱ)
所在:千葉県市川市塩浜1-12
敷地面積:82,652.23m2
延べ床面積:183,824m2
規模・構造:地上4階建て・RC・S造・免震構造
設計者・施工者:鹿島建設株式会社
着工:2020年8月25日
竣工:2022年3月31日
(藤原秀行)