3月に試験航行実施し成功、25~30%のCO2排出削減見込む
商船三井は4月19日、シンガポール現地法人のMOL CHEMICAL TANKERS(MOLCT)、同国の大手資源商社Trafigura(トラフィギュラ)、Trafiguraグループで舶用燃料供給を手掛けるTFG Marineの3社と、MOLCTが運航する船舶の世界各地における補油港での本格的なバイオディーゼル燃料(BDF)供給について共同検討を始めると発表した。このほど、覚書を締結した。
4社はMOLCT運航船隊のBDF常用使用を可能とする世界的なBDF供給体制を構築し、海運領域の脱炭素に貢献していきたい考え。
共同検討の一環として、MOLCTが運航するケミカルタンカー「NISEKO GALAXY」で、TFG Marineが供給したBDFを使用する試験航行を実施。3月上旬にオランダ・ロッテルダム港で約200トンのBDFを補油し、欧州を出港後、揚地の米ガルフまでの大西洋上において試験航行に成功した。
今回使用したTFG MarineのBDFは、船舶の既存のディーゼルエンジンの仕様を変えずに使用できるのが特徴。従来の舶用重油に約3割の比率で混合することにより、25~30%のCO2排出量削減を見込める。
(藤原秀行)