日本初、Ship-to-Ship方式でタグボートへのバイオ燃料供給・試験航行を実施

日本初、Ship-to-Ship方式でタグボートへのバイオ燃料供給・試験航行を実施

日本郵船など、7月ごろまでに3回のトライアル実施

日本郵船と関連会社の三洋海事は4月19日、三洋海事が運航するタグボートを使い、豊田通商グループの豊通エネルギーから舶用バイオディーゼル燃料の供給を受ける試験航行を開始したと発表した。

岸壁・桟橋に係留中か錨泊中の船舶に燃料供給船(バンカリング船)が横付けして燃料を直接供給する「Ship-to-Ship(シップ・トゥ・シップ)」方式によるバイオ燃料の供給は日本で初めてという。日本郵船と三陽海事は今回の燃料供給を含め、7月ごろまでに合計3回のトライアルを実施する予定。バイオ燃料供給と試験航行は名古屋港管理組合の後援を得て実施している。

バイオ燃料は、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料にする燃料で、バイオ燃料を燃焼させる際のCO2排出量は実質ゼロとみなされるため、海運領域の脱炭素に貢献すると期待が高まっている。

4月19日に三洋海事が運航するタグボート「たはら丸」が名古屋港ガーデンふ頭において供給を受けたバイオ燃料は、一部、国内のトヨタグループや豊田通商グループ企業から排出された廃食油を原料として使用。日本郵船は地産地消によるサプライチェーン構築を通じてサーキュラーエコノミー(循環型経済)にも資する取り組みになると見込んでおり、早期の実用化を目指す。


(左から)豊田通商・吉川宏次カーボンニュートラルフューエル部長、豊通エネルギー・中西史明社長、名古屋港管理組合・鎌田裕司専任副管理者、日本郵船・清水健太郎港湾グループ長、三洋海事・小磯潮社長


名古屋港ガーデンふ頭における補油の様子


タグボート「たはら丸」

<タグボート「たはら丸」概要>
全長: 34.10m
全幅: 9.20m
型深さ: 4.15m
総トン数: 198トン


名古屋港ガーデンふ頭


Ship-to-Ship方式の概要図(いずれもプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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