業務進捗可視化アプリのKURANDO・岡澤代表が目標アピール
プロロジスと共同で物流施設の庫内業務に関する進捗状況の可視化アプリ「ロジメーター」を開発したスタートアップ企業KURANDO(クランド、東京)の岡澤一弘代表取締役は11月14日、千葉市の「プロロジスパーク千葉1」内覧会でロジビズ・オンラインの取材に応じた。
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岡澤氏は、アプリを全国の物流施設で幅広く普及させることにより、ピッキングや出荷など各工程の生産性に関するビッグデータを収集・蓄積し、将来は物流業界のベンチマークとなる標準的なデータを完成させたいとの意向を示した。
また、物流現場にロボットなどの設備を導入する上で参考となるデータとしても提供し、機械化・省人化に貢献していくことに強い意欲を見せた。
取材に応じる岡澤氏
3~4年で500程度のユーザー獲得目指す
ロジメーターは検品や梱包、ピッキングなどの作業の進み具合を現場のスタッフがタブレット端末から入力すれば、管理者がパソコンから各工程の進捗状況を専用画面で一覧できる仕組み。作業が遅れている工程へスタッフを柔軟に配置替えするなど、リアルタイムに対応できる。蓄積した作業データを分析し、改善すべき工程を特定することも可能だ。
岡澤氏は、現状では物流センターで、各作業の進捗状況をホワイトボードなどに手作業で集約した後、さらに手作業でエクセルに入力するなど、非常に煩雑で手間が掛かっており、正確に状況を把握するのが困難な現場が少なくないと指摘。
「プロロジスから庫内作業をIT化していく上でお手伝いしていただけないかとのお話を頂戴し、実質的に半年ほどでプロダクトの開発までこぎ着けた。お客さまからの期待は大きいと思っている」と語った。
その上で、「現状はそもそも物流現場で作業データを取得できていないという現実があり、仮にデータを取得できてもその分析と改善策をどうしようかと迷われている。ロジメーターで作業の生産性向上を果たしたケースをどんどん増やし、事例集のような形で紹介していくことを考えている」と説明。ロジメーターのユーザーを長期にわたってサポートしていくことを強調した。
利用状況については、現在4社ほどでロジメーターの立ち上げを支援しており、1年から1年半くらいの間に100現場への導入、3~4年で500程度のユーザー獲得を目指したいとの考えを表明。「利用いただいている社数をたくさん集めることで、データを増やし、サービスにフィードバックしていくことができる」と述べた。
併せて「現場を自動化する際も、この工程は何秒かかる、といった状況を把握した上でどの工程に設備を入れていくかを精緻に判断しなければならない。勘と経験だけでロボットを導入してもうまくはいかない」と指摘。ロジメーターの活用は機械化の加速にもつながるとの見解を示した。
中長期的に目指す姿としては、「プロロジスさんも物流業界全体の発展のために取り組みたいとのお考えで、その点に当社としても非常に共感させていただいた。プロロジスさんの物流施設の入居企業がメーンではあるが、それ以外の企業にもぜひ幅広くご利用いただきたい」と語り、物流業界全体でロジメーターが採用されるよう働き掛けていく姿勢をアピールした。
「ロジメーター」の画面(プロロジスプレスリリースより引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)