【現地取材・動画】宮城・岩沼のプロロジス物流施設火災から2年、地域を代表する先進的倉庫に蘇生

【現地取材・動画】宮城・岩沼のプロロジス物流施設火災から2年、地域を代表する先進的倉庫に蘇生

同一敷地で5.1万㎡の案件再開発、プラスロジなど8割入居確定

Jリートの日本プロロジスリート投資法人と資産運用を担うプロロジス・リート・マネジメントが軸となり、宮城県岩沼市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク岩沼」がこのほど完成し、5月11日に現地で記念式典を開催した。

新施設は地上2階建て、延べ床面積が5万1120平方メートル。同じ敷地には以前、同投資法人の物件供給スポンサーを務めているプロロジスが開発、2008年に竣工したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク岩沼1」(地上2階建て、延べ床面積約4万平方メートル)があった。しかし、2020年4月に起きた火災で焼失したため、同投資法人などが再開発を進めていた。


プロロジスパーク岩沼の外観

仙台市中心部から約15キロメートルに位置し、仙台空港に近い「岩沼臨空工業団地」内に立地。仙台東部道路の仙台空港IC、岩沼ICにも近く、日本プロロジスリート投資法人などは東北全体をカバーできる戦略的な物流拠点として活用できるとみている。防火対策にも注力している。

火災前の旧施設も利用していたプラス ロジスティクスが再度入居を決めるなど、既に約80%の面積で2社と賃貸契約を締結済み。

旧施設からの変更点として、2階のトラックバースまで乗り入れられるスロープを設置。45フィートセミトレーラーや21メートルフルトレーラーが直接アクセスできるようにした。1階は両面バースを採用し、食品や消費財などの配送拠点としてのニーズを考慮。2階は有効天井高を最大6.5メートル持たせ、パレットの4段積みを可能にしており、日用雑貨などの効率的な保管に対応できる。


2階に直接乗り入れられるスロープを設置


2階の庫内


開口部を広くして、万が一の事態でも中に入りやすくしている

敷地内には最近需要が高まっている危険物倉庫として使える小型倉庫を新設。また、火災の教訓から、万が一の際は消防ホースの水圧で外部から開鍵、内部に進入できるシャッターを整備するなど、地元消防とも連携して防火対策を施している。

併せて、東日本大震災で津波に見舞われた経験を基に、旧施設から建物のレベルを1.5メートルかさ上げしたほか、緊急地震速報システムや衛星電話、非常用発電機も取り入れている。屋上には太陽光発電設備を導入する予定。


危険物倉庫として使える小型倉庫を新設


非常用発電機


鳥よけのワイヤーを車路部分に設置


旧施設より1.5メートルかさ上げした

記念式典であいさつした日本プロロジスリート投資法人の坂下雅弘執行役員(プロロジス・リート・マネジメント取締役相談役兼務)は「火災発生からわずか2年で新たな施設が立派に竣工したことには万感の思い。多くの関係者の皆様にこの場をお借りして、あらためてお礼申し上げる。災害に強い、より使いやすい施設に生まれ変わった」と語った。

来賓としてプラス ロジスティクスの古賀睦執行役員物流オペレーション部長は「お客様を施設にお呼びし、お見せして自慢したいと思っている」と笑顔で語った。


坂下氏


古賀氏





火災後の惨状から地域を代表する先進的施設として再生した物流施設。ロゴマークも蘇った

(藤原秀行)

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