経産省調査、EC化率は8.78%に到達
経済産業省は8月12日、日本のEC市場の実態調査結果を公表した。
2021年のBtoC(消費者向け)領域のEC市場規模は20兆6950億円で、20年の19兆2779億円から7.4%伸びた。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の19兆3609億円を上回り、初めて20兆円の大台に到達した。
20年はコロナ禍に伴う“巣ごもり需要”で日常必需品など物販系分野が大きく拡大した半面、行動制限の影響で旅行サービスの利用が激減したためサービス系分野が大幅に縮小、トータルでは19年をわずかに下回っていた。
BtoB(企業間)領域のEC市場規模は2020年が372.7兆円で、19年の334.9兆円から11.3%増加した。
物販系分野のEC化率はBtoC領域で21年が8.78%と、20年から0.70ポイント上昇。BtoB領域が2.1ポイント上昇し35.6%だった。経産省は「商取引の電子化が引き続き進展している」と指摘した。
BtoC領域のEC市場規模推移(経産省ホームページより引用)
BtoC領域のうち、物販系分野を見ると、市場規模は20年の12兆2333億円から13兆2865億円に成長。「食品、飲料、酒類」は20年の2兆2086億円から21年は14.1%増の2兆5199億円とトップに躍り出た。
「生活家電、AV機器、PC・周辺機器など」は20年の2兆3489億円から21年は4.7%増の2兆4584億円に伸長。「衣類・服装雑貨など」は20年の2兆2203億円から21年は9.4%増の2兆4279億円、「生活雑貨、家具、インテリア」は20年の2兆1322億円から6.7%増の2兆2752億円となった。
個人間取引のCtoCのEC市場規模は20年の1兆9586億円から21年は12.9%増の2兆2121億円と、初めて2兆円を突破。やはりコロナ禍が市場成長の契機となっている。
日本が米国、中国から購入している越境EC額は20年の3416億円から21年は9.1%増の3727億円となった。ただ、21年時点でも米国(2兆409億円)、中国(4兆7165億円)とは依然大きな差がある。
(藤原秀行)