帝国データ調査、コロナ感染拡大や軽油高騰が重しか
帝国データバンク(TDB)が9月5日公表した8月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が37.3で、7月の前回調査から0.5ポイント下がった。悪化したのは2カ月ぶり。このところ、悪化と改善を繰り返し、景況感の一進一退が続いている。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、軽油も高騰に歯止めが掛からないことが心理面で重しになったとみられる。
全業種ベースの景気DIは前月比0.1ポイント上がって41.4となり、2カ月ぶりに改善した。TDBは今後の景況感について「通常の状態に戻ろうとする中で、下方圧力を内在しつつもおおむね横ばい傾向で推移する」と展望した。原材料や燃料の価格高騰などが影響するとみている。
運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、「GDP(国内総生産)が新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に回復しており、少しずつ改善すると判断している」(集配利用運送)、「仕入れ価格の上昇に加え、最低賃金の上昇、2024年問題など、労働力不足と人件費の上昇がさらに深刻化する」(一般貨物自動車運送)といった声が聞かれた。
(藤原秀行)