11月にも初会合、日本案を参考に検討
日本や中国、韓国などアジア10カ国が加盟している「アジアパレットシステム連盟」(APSF、会長・加納尚美日本パレット協会会長)は9月7日、リモート形式で第17回総会を開催した。加盟8カ国から約50人が参加した。
加盟各国や各国間での物流のパレット化を進める2030年に向けてのロードマップ策定を論議。日本が提案したロードマップ案を説明し、今後はこの案を参考にしながら、加盟各国がロードマップを策定するため合同のワーキンググループ(WG)を設置することを決議した。WGは今年11月にも第1回の会合を開く。
また、会長人事に関し、2年の任期満了により加納会長から韓国パレットコンテナ協会の徐炳倫会長へバトンタッチするとともに、新たなアドバイザーとして日本パレット協会の宿谷肇専務理事が就任することを決議した。
加納会長は冒頭、日本では労働力不足や環境負荷軽減への意識の高まりから、パレット標準化論議が再び活発になっており、今後パレット化を進める企業には11型を推奨サイズとすることが公的に発信されたと説明。APSFでも標準パレット化をPRすることが重要であり、その推進には各国で実効性のある具体的なロードマップ策定が必要と強調した。
続いて来賓として国土交通省総合政策局参事官(国際物流)室の村井物流渉外官があいさつ。昨年8月の「日中韓物流大臣会合」で標準化されたパレットの使用促進やASEAN(東南アジア諸国連合)諸国のパレット化協力が行動計画に盛り込まれ、政府としてもリターナブル物流容器の普及促進に向けた手引書を作成したことに言及した。その上で、今後も日本パレット協会と密に連携してアジアにおけるパレット化、物流のシームレス化に取り組む方針を表明した。
総会では各国から最新の現状報告があり、日本の代表はパレット生産量の推移とレンタルパレット市場の拡大、官民連携によるパレット標準化推進分科会の推移を報告するとともに、今後標準パレットによるAPSF域内のパレット循環利用拡大を目指すことを表明した。
(藤原秀行)