オートロックマンションの「置き配」、95%が継続を希望

オートロックマンションの「置き配」、95%が継続を希望

ビットキーと日本郵便の共同実証実験参加世帯、8割超が「宅配ボックスより使いたい」

デジタル認証技術を手掛けるスタートアップのビットキーは10月18日、日本郵便と東京都内の大規模オートロックマンションに配達されるゆうパックを対象に7~8月実施した、ビットキーが開発したスマートロック「bitlock GATE(ビットロックゲート)」を活用した「置き配」の実証実験に関する参加世帯へのアンケート調査結果を公表した。

オートロックマンションの置き配ニーズについて尋ねたところ、90.1%が従来の受け取り方法と比べて置き配が便利と回答。「便利ではない」の7.4%を大幅に上回った。95.0%が「今後も継続して置き配を利用したい」と答え、「利用したくない」の5.0%を大きく引き離した。

また、86.0%が宅配ボックスより「置き配」を利用したいと選択。継続して使いたい理由の8割超が「再配達の手間が省ける」「宅配ボックスに行く手間が省ける」だった。宅配ボックスより「置き配」を利用したい理由としては「かさばる・重い荷物があるため」が最も多かった。

本実験に参加した81世帯に、置き配に不安はあったか質問したところ、「不安はなかった」(64.2%)が「不安があった」(35.8%)の1.8倍に達した。

「不安はなかった」と回答した世帯の自由回答では「既に他の宅配でも置き配をしてもらっているから」「内廊下であるために雨風が当たらないから」「警備員が巡回しているから」の声もあった。

半面、「不安だった」と回答した29世帯に、その理由について質問したところ、「盗難されないか」(51.7%)、宛名ラベルの個人情報が見えてしまう」(44.9%)、「箱の外装から中身がある程度推測できてしまう」(34.5%)、「雨風や外気温の影響による荷物へのダメージ」(6.9%)と続いた。

置き配時の呼び出しの必要性を質問したところ、「呼び出し不要」(63.0%)、「呼び出しは不要だが、置き配をした報告としてインターホンを鳴らしてほしい」(23.0%)、「呼び出し必要」(12.0%)、「その他」(1.2%)となった。

実験期間中、対象者の自宅宛にゆうパックの配達がある場合、配達員はビットキーの開発した専用スマートフォンアプリを使い、共用部のオートロックの鍵を解錠*。配達先の玄関前へ置き配で届けた。その後、実験に協力した世帯に対し、メールと座談会でアンケートを実施、満足度を確認した。

ビットキーと日本郵便は実験で得られた利用者の声などを踏まえ、本格的な置き配サービスの展開に向けた検討を進める方針。


配達の流れ

場所   :東京都江東区の大規模分譲オートロックマンション(宅配ボックスは総戸数の約1割程度設置)
期間   :2022年7月19日〜同年8月5日
対象者  :事前に申し込んだ入居者
実証内容 :配達に要する時間、配達員の業務負荷の軽減度合い、対象者の満足度などを検証
事前設置物:オートロックエントランスのドアと連携したbitlock GATE
対象荷物 :対象者宅宛のゆうパック(料金の支払いを伴うもの、セキュリティ、生物を内容品とするものなど、一部置き配を実施しない荷物があった)
調査方法 :本実験終了後にメールで送付したオンライン調査および座談会
有効回答数:本実験参加世帯98世帯のうち、期間中に対象荷物の置き配があり、アンケートの回答があった81世帯

(藤原秀行)※写真とグラフはいずれもビットキー提供

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