ブリヂストンとトッパンフォームズ、タイヤ用次世代RFIDタグの実装技術を共同開発へ

ブリヂストンとトッパンフォームズ、タイヤ用次世代RFIDタグの実装技術を共同開発へ

1本ごとの生産日時などの情報管理が容易に、作業迅速化も

ブリヂストンとトッパン・フォームズは10月28日、タイヤ用次世代RFIDタグの早期実用化に向け、実装技術の共同開発を開始すると発表した。

両社はそれぞれが持つ技術を活用した非接触型個体管理技術をタイヤへ適用できるかどうかを探ってきた。今回の共同開発はブリヂストンが持つタイヤ開発・製造技術とトッパンフォームズが持つRFID分野の技術を融合し、より離れた位置から正確に通信できる次世代RFIDタグの開発とタイヤへの実装技術の確立を目指す。

実現すれば生産日時や工場検査情報、出荷日時、車両への装着日時、各種タイヤ点検情報など、個々のタイヤに関する様々なデータをより早く、より容易に管理できるようになるという。


車両に装着されたタイヤの個体情報の登録・確認作業のイメージ。より離れた位置から正確なデータ読み取りが可能になる(プレスリリースより引用)

現状、トラック輸送事業者やタイヤ販売店の現場でのタイヤ個体管理は、タイヤ1本ごとに目視で確認作業が行われている。トラックなどに装着されているタイヤを確認するためには、車両下に潜り込んだり、タイヤを取り外したりする必要があり、現場での作業負担が大きくなることが課題となっている。

両社は共同開発を通じてRFIDタグの通信性能を大きく向上させ、既存技術では難しい、より離れた位置からの正確なデータ読み取りを実現。次世代RFIDを実装することにより、デジタルによる遠隔でのタイヤデータの読み取りやシステムへのデータ接続ができるようになり、作業時間の短縮や安全性・作業性の大幅な改善につながると見込む。

人手不足も課題となっている現場の作業を効率化し、作業負担の軽減と作業時の安全性のさらなる向上を図る。また、タイヤ1本ごとの走行距離やメンテナンス履歴などの情報を次世代RFID通じ入手・分析することで、ブリヂストンが提供する最適なリトレッド(すり減ったタイヤを再利用するために表面=トレッド=のゴムを貼り替えること)、メンテナンスなどのサービスソリューションを進化させ、それぞれの顧客のオペレーションに合わせた提供が可能になると想定している。

1本のタイヤの価値を最大化し、タイヤを安全に、長く、うまく、効率的に使用できるよう後押しすることでCO2排出量削減や資源生産性の向上を進め、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現にも貢献していくことを目指す。

(藤原秀行)

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