近く東証上場廃止、新体制で海外事業拡大など企業価値向上図る
日立物流は11月30日、米投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)の関係会社によるTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。
TOBは10月28日から11月29日まで実施。議決権ベースで関係会社が日立物流株式の51.11%を取得することが決まった。12月6日に決済を開始する。
現在は日立製作所が日立物流株式の39.91%を保有して筆頭株主を務めているが、TOB成立で第2位株主になる方向。日立製作所は今後、日立物流による自己株式取得などを通じて株式の保有比率を10%まで下げる予定。日立物流は東京証券取引所プライム市場への上場が廃止になる。
KKRは少数株主からも残る株式を取得、保有比率を90%まで高める計画。一連の買収手続きが完了した後は、海外事業拡大などで日立物流の企業価値向上を図る。日立物流は新体制への移行に伴い、2023年4月1日付で社名を独自のビジネスコンセプトと同じ「ロジスティード」に変更する。
KKRは様々な事業会社に日立物流への資本参加を呼び掛けるほか、事業成長と企業価値の向上を果たせた後は株式を再上場させることも念頭に置いている。日立製作所は日立物流株式の10%を今後も保有、業務面での連携を継続する。
(藤原秀行)