学識経験者で初、長年の政策研究など評価
日本物流記者会は12月14日、物流分野で高い功績を残した個人を表彰する第8回「物流人間大賞」に日通学園理事長で前流通経済大学学長の野尻俊明氏を選んだと発表した。学識経験者が選ばれるのは初めて。
野尻氏は1979年に日通総合研究所(現NX総合研究所)入社。流通経済大学社会学部教授などを経て2002~08年と15~21年に同大学長を務めた。16年から日通学園理事長。政府の審議会委員などを数多く務めてきた。
記者会は授賞理由として「日本を代表する物流政策研究の第一人者として、諸外国における運輸事業の規制緩和の動きを紹介するなどの功績を果たした。また、流通経済大学学長および日通学園理事長として、わが国における物流・ロジスティクスの普及、ロジスティクス人材の育成に貢献した。行政分野でも『トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会』の座長など、多数の会合の委員などを歴任した」と説明している。
野尻氏は受賞を受け、コメントを公表。「物流政策の研究という分野で細々と研究を続けてきましたが、今回こうして日本物流記者会の皆様からご評価いただけたことは望外の喜びであります」と謝辞を述べた。
その上で「Gマーク制度や事業用自動車安全プランなど、今日安全問題を考える上で重要な政策に関与できたことは誇りとしています。現在、物流分野が抱える課題は多々ありますが、今後も地味ながらも着実に研究を続け、間接的ながら関係者の皆様のお役に立つことできれば幸いです」と語った。
物流人間大賞は2015年度にスタート。これまでに日本通運の川合正矩会長兼全国通運連盟会長(当時)らが選ばれている。
野尻氏(右)と日本物流記者会の熊木茂夫会長(同記者会提供)
(藤原秀行)