1桁台に、卸・小売業はまたもゼロ
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が2022年12月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1511に到達した。
同運動事務局が1月18日、活動状況を紹介している専用ウェブサイトのデータを更新、公表した。
ただ、11月末からの1カ月間で見ると、新規に同運動への賛同を表明した企業は7で、過去最低水準に落ち込んだ。年末の休み時期を考慮しても、昨年同時期の新規賛同数が21だっただけに、さえない数にとどまった。
トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」が目前に迫る中、ホワイト物流の推進はより重要度を増しているはずだが、運動の停滞が危惧される。
新たに賛同した中で、荷主企業の中心的な位置を占める卸・小売業は4カ月ぶりにゼロとなった。ここ1年で見ても、卸・小売業で新規に加わったのは17社にとどまっており、取り組みを盛り上げるためのインセンティブが不可欠だ。
同運動事務局のホームページによると、新規参加を表明した主な企業は発泡樹脂大手JSP、静岡を地盤とする精密化学品などのメーカー、ケイ・アイ化成などが並んだ。
ロジビズ・オンラインの独自集計では、運輸・郵便業は11月末時点の800から3社増えて803に、製造業は393から2社加わり395となった。卸・小売業は128で変わらなかった。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。現状ではそのうちの約2割が運動に賛同している。
(藤原秀行)