物流施設や工場向け、狭い空間に収めることも可能
オカムラは2月17日、静岡県御殿場市の「富士事業所」内の物流システムショールーム「F-cube」で、独自に開発し2022年9月に発売した物流施設や工場など向けのAI搭載自律移動ロボット(AGV)「ORV(Okamura Robot Vehicle)」のデモンストレーションを公開した。
ORVは物流施設や工場の中で、高性能のレーダー「SLAM」を活用し、周辺の地図を自動で作成、障害物をよけながら、かご車をAIが自動で認識し指定の場所まで搬送できるのが特徴。床にガイド用のテープを貼ったり、かご車を改造したりする必要がなく、導入のハードルが低いのがメリット。
デモはORVが複数のかご車を整列して配置したり、狭い空間にかご車を収めたりする様子を公開。人が前を横切るのを検知して動作をストップするなど、安全設計も確認できた。
F-cubeのORV
「片持ち方式」で小回り利く
ORVはマーキングや人の手による位置合わせなしで、かご車の片側をつかみあげて搬送する「片持ち方式」を採用。AGVによる一般的な牽引方式に比べ、旋回の半径が小さくて済むという。ORV自身、バックや360度回転が可能なため、限られたスペース内でも小回りが利き、かご車をスムーズに運べるが強み。トラックバース前の出荷待機や垂直搬送機などへの搬送にも対応する。
かご車の片側をつかみあげて搬送
さらに、自動充電機能を備え、充電が必要になると設置している給電装置へORVが自動で向かい、充電する。IoT遠隔監視システムを活用し、稼働データをクラウド上にアップロードしているため、現場で不具合が起きた際はログデータを分析、離れた場所からでも原因調査が可能になっている。
かご車を整列させることが可能
狭い空間にも収まるよう搬送
最高速度は単体で走行する場合は毎分60m、かご車搬送時は40mと設計。単体で走る場合、最小通路幅は900mm。最大可搬重量は300kgとなっている。
(藤原秀行)