近接ミリ波センサー採用し死角解消
自動車用品の開発などを手掛けるカーメイト(東京都豊島区長崎)は3月8日、センコーグループホールディングス傘下のセンコー商事と、トラックの退突を防止するシステム「ミリ波退突センサー」を共同開発したと発表した。
技適認証を得たミリ波センサーを採用しており、センコー商事が3月13日に発売する予定。
トラックなど大型業務用車両はバック時に対物事故が多く、その修理や保証に多大な費用を要する。建物破損の場合は自社車両の修理代だけでなく、その損害賠償請求も問題になる。
対策機器は既に存在しているが、カメラは死角や映像確認時のタイムラグがあり、ソナー(音波)やドップラーといった既存センサーは小さな看板や動く対象物を感知しにくいといった課題を抱えている。
そこで、センコー商事からの要望を受け、課題を解決できる近接ミリ波センサーを採用した新たなシステムを開発。トラック用に適した仕様検討や試験はセンコー商事が実施し、3年を要して発売にこぎ着けた。
新システムは業務用トラックの使用に特化して設計。後方上部と下部、後方角の障害物を感知し、インジケーターに音と光で警告する。
後方4カ所に近接ミリ波センサーを設置し、車両ごとの違いによる精度への影響を、プログラムで調整して誤作動を低減。ケース表面に特殊処理を施し、電磁波の漏れを確実に遮断して路上の金属製蓋などによる誤作動を軽減している。
ミリ波は直進性、広帯域かつ環境変化による影響が少ない周波数(30-300GHz)の電波。対象物までの距離や対象物との相対距離を広角に検知する。自動車に採用されている自動運転や衝突防止のセンサーにも使用され、天候や光の影響を受けにくいのがメリット。
製品概要
(藤原秀行)※いずれもカーメイト提供