物流業界初となる和食材の複合加工・輸出拠点
鴻池運輸は3月20日、大阪木津市場(大阪市浪速区)内で建設工事を進めていた高級和食材の加工・輸出拠点「鴻池運輸 食品加工場」が完成したと発表した。4月3日に現地で竣工式を執り行い、同中旬より稼働を開始する予定だ。
新施設は鉄骨造2階建て、延べ床面積約1022平方メートル。多機能型OEM食品加工場として農水産物を“切る・煮る・焼く・蒸す”などの工程と高度急速冷凍加工を組み合わせたほか、調理やレシピの開発も行うフードプロデュース機能を備えた“セントラルキッチン”として展開する。物流企業がこのような施設・事業を手掛けるのは初めて。
鴻池は食品の仕入れ・加工・調理・販路開拓までを一貫して手掛けるニュービジネスを計画しており、物流の枠を超えた広範な業務の中で培ってきた流通加工や生産請負のノウハウを食品分野でも生かしていく。
新施設はその基点として多様な装置を実装。フードチェーンの前工程に踏み込み、生鮮食品の生産者と需要家である小売事業者や卸売事業者、飲食事業者の橋渡し役を担うことで輸送・保管など物流業務の受注機会も広がると期待を寄せる。
また日本のブランド力などに着目した「和食材輸出ビジネスのプラットフォーム構築構想」の具現化を検討中。物流の観点から国内・海外で日本産食品の拡販にも意欲を見せている。
(鳥羽俊一)
施設の完成予想図(鴻池運輸ニュースリリースより)