27年以降の竣工目指す、世界の脱炭素化に貢献狙う
三菱重工業傘下の三菱造船は5月22日、今治造船とジャパン マリンユナイテッド(JMU)の合弁で一般商船・海洋浮体構造物の設計を手掛ける日本シップヤードと、外航液化CO2輸送船(LCO2船)の共同開発に向けた検討を開始したと発表した。
日本シップヤードで2027年以降に竣工させることを目指す。
外航液化CO2輸送船(LCO2船)のイメージ図
LCO2船は、回収したCO2を地中に安定的に貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトの際、CO2を安全かつ大量に輸送する手段として将来の需要拡大が見込まれている。
CCSプロジェクトが先行しているEU地域内に続き、今後はアジア域内でも各国政府の推進によるCCSプロジェクトが加速していく可能性が大きいため、日本国内でもLCO2船の需要に応じた建造体制の確立が急務となっている。
三菱造船が有する液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)建造で培った知見や高度なガスハンドリング技術と、日本シップヤードがこれまで積み重ねてきた多様な船種の豊富な建造経験・高度な造船技術力を、両社が相互に補い合える強みとして生かし、世界的な脱炭素化の潮流に応じていく構え。
LCO2船イメージ動画
(藤原秀行)※いずれも三菱造船提供