双日、ITで消費財卸・物流の効率化担うインドのスタートアップに追加出資

双日、ITで消費財卸・物流の効率化担うインドのスタートアップに追加出資

複雑な流通の改善へ貢献目指す

双日は6月6日、インドで消費財卸・物流事業などを担うスタートアップ企業Intelligent Retail(インテリジェントリテイル、RIPPLR=リップラー)に追加出資したと発表した。

2021年12月以来の出資で、双日はRIPPLRへの事業支援を通じて、成長を続けるインドにおける流通業界への貢献を加速させたい考え。具体的な出資額は開示していない。

インドの小売市場は、約14億人の人口をベースとした巨大な内需が期待されることから、2025年までに世界第3位の規模に成長すると見込まれ、今後も消費者の購買意欲は高いレベルで推移していくと想定されている。

一方で、広大な国土面積の下、小売店舗数は1400万を超え、多様な民族・言語・文化・制度が存在し、既存流通業者の多くが個人経営のため、流通構造の複雑さと非効率性はインドの消費財・食品メーカーが抱える重大な課題の1つとなっている。

RIPPLRは、自社で開発したプラットフォーム上に受注管理・配送管理・販売実績管理・在庫管理システムを構築したことで、小売業者(販売先)からの注文受付から配送までのデジタル管理や、メーカー(仕入先)とリアルタイムに販売情報を共有し、タイムリーな販売・配送状況の把握を可能にした。

流通構造をシンプルにすることで、正確かつ迅速に低コストで効率的に商品配送ができるようになり、現地消費財・食品メーカーや小売業者から高い評価を得ており、バンガロールを中心に、主要都市での事業拡大を進めている。


既存の物流体系とRIPPLRとの違い(プレスリリースより引用)

今回調達した資金は、広大なインド全土にわたる新たな拠点開設や、RIPPLRが強みとしている卸・物流関連システムの追加開発などに充てる。

双日は東南アジアなどの需要地に有する緊密な海外ネットワークや、主にベトナムにおける事業活動で培った新興国での卸売事業運営の知見を活用し、新たな市場のインドでも流通業界の抱える課題解決や地域経済の発展に貢献するとともに、将来はインド・リテール分野における他事業への参画も目指す。

(参考)
【RIPPLRの会社概要】

会社名 Intelligent Retail Private Limited
自社プラットフォーム   RIPPLR
設立年 2019年
本社所在地 Flat No 1301, A-10 Block, Elita Promenade Apt, 18th Main, JP
Nagar 7th Phase, Bengaluru, Karnataka – 560078, India
代表者 Santosh Sadashiv Dabke, Abhishek Vijay Nehru
事業内容 卸売プラットフォーム運営
従業員数 1,001人(2023年3月末時点)

(藤原秀行)

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