出光、グループの製品配送網とAI活用した道路維持管理サービス提供開始

出光、グループの製品配送網とAI活用した道路維持管理サービス提供開始

アプリ搭載のスマホ活用、自治体の業務効率化に貢献

出光興産は7月12日、グループの製品の配送車両とAIによる道路損傷検知技術を活用した、自治体向け道路維持管理サービスの提供を開始したと発表した。

配送車両に道路損傷検知アプリを搭載したスマートフォンを取り付け、日々の配送を利用して道路状態を解析する。2022年に茨城県鹿嶋市で実証を行い、市が管理する道路に対して高頻度かつ広範囲に路面情報を取得できることを確認。日常の維持管理業務にも改善効果を確認できたため、23年度に同市が正式採用した。

今後はサービスの全国拡大を目指す。

鹿嶋市は、既存運用では管理道路の10~20%程度しか巡回できていなかったが、出光グループの製品配送車両3台を活用することにより75%まで巡回できるようになった。また、
通常は道路状態の確認作業は住民の通報を受け、職員2名で平均70分(合計作業時間140分)を要しているが、サービスを用いて役所内で路面状態を確認することで、5分に短縮できたという。


サービスのイメージ(プレスリリースより引用)

本サービスは日本全国にエネルギーを届ける輸送車両に、アーバンエックステクノロジーズ(東京都渋谷区)が提供する、AIによる道路損傷検知アプリを搭載したスマホを取り付けることで、日々の配送中に道路状態を解析できるようにしているのが特徴。

車両に設置したスマホが道路損傷を検知すると、損傷個所を自動で撮影して自治体へ報告する。自治体は、報告の情報を基に修繕の必要性の判断、手配を行う。サービスの活用により、自治体の道路管理者は役所内で勤務をしながらリアルタイムに路面情報を確認できるようになり、日常のパトロールや住民通報に伴う現地確認作業などの道路維持管理業務の効率化を実現できると見込む。

(藤原秀行)

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