WMSと連携、棚卸し管理も自動化目指す
日本電気（NEC）とNIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）は8月28日、商品運搬や積み下ろしなどフォークリフトを活用した倉庫内作業の効率性と安全性を向上させる自律遠隔搬送ソリューションを共同で開発したと発表した。
両社は2020年10月、物流現場の自動化・効率化を後押しする新技術の開発で連携を開始した。
開発したソリューションはアクチュエーター、カメラ、センサーなどを既製のフォークリフトに後付けし、シミュレーションによる状況に応じた搬送ルートの自動設計や安全性を確保したフォークリフトの自律遠隔搬送を実現するのが特徴。
NECが開発した「リスクセンシティブ確率制御技術」を活用し、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握。状況に応じてフォークリフトの速度を制限速度内で自動調整することで、安全を確保しつつ生産性改善にも貢献できると見込む。
さらに、複数拠点にある複数台のフォークリフトを遠隔から少人数で集中管理できるようにすることで人手不足を解消、安全性向上などを図ることが可能。両社は既製のフォークリフトに後付けして自律遠隔搬送を実現する日本初のソリューションと説明している。
両社は新ソリューションの早期事業化を目指す。在庫管理や入出庫管理を含むWMS（倉庫管理システム）と連携させ、棚卸し管理まで含めた物流倉庫の幅広い自動化を推進することを視野に入れている。
NECは新ソリューションを2024年以降、企業のDX化を支援するシステム「NEC Digital Platform」へ搭載、展開していきたい考えだ。
新ソリューションは9月13～15日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる「国際物流総合展2023 第3回 INNOVATION EXPO」に出展する予定。
自律遠隔制御対応のフォークリフト
遠隔操縦イメージ（いずれもプレスリリースより引用）
（藤原秀行）
