船隊を統合、事業基盤強化図る
商船三井は9月12日、傘下でシンガポールのMOL Chemical Tankers(MOLケミカルタンカーズ、MOLCT)が、米海運大手Fairfield-Maxwell(フェアフィールド・マックスウェル)のグループ会社でケミカル船を運航するFairfield Chemical Carriers(フェアフィールド・ケミカル・キャリアーズ、FCC)を買収すると発表した。
全株式を約4億ドル(約560億円)で取得する予定で、今後正式な株式譲渡契約を締結。関係の規制当局の承認を得ることを前提に、株式を取得する。
ケミカル船のHODAKA GALAXY(ホダカ ギャラクシー)(プレスリリースより引用)
商船三井グループは現行の経営計画「BLUE ACTION 2035」でケミカル船事業を市場の成長が期待できる事業領域と設定。積極的に投資を実施していく方針を打ち出しており、今回の買収もその一環。
MOLCTは運航する85隻のステンレス多タンクのケミカル船隊(貨物タンクの内壁がステンレスで、タンク数が20超のケミカル船の船隊)に、FCCが運航する36隻の船隊を統合し、MOLCTが得意とするステンレス多タンクのケミカル船を活用した専門性の高い事業を強化したい考え。
同時に、FCCが強みを持ち、今後成長が見込まれる地域における商圏の取り込みをはじめとした営業基盤の拡充も視野に入れている。加えて、FCCがこれまでに築き上げてきたFairfieldブランドや人材を活用し、温室効果ガス削減などの社会課題解決を促進する。
(藤原秀行)