グラウンドゴルフ大会の参加者向け商品など空輸
セイノーホールディングス（HD）とエアロネクスト、同社子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンの4社は11月16日、山口市、NPO法人ほほえみの郷トイトイ（山口市）と連携し、11月14日に同市の阿東地域で、次世代高度技術を活用して新たな物流サービスの構築を目指す「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を実施したと発表した。
NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub（スカイハブ）」の社会実装の検討に向けて行った。
今回の実証実験は、阿東地域で買い物支援対策と地域コミュニティの場として、｢ほほえみの郷トイトイ｣を設立、運営しているほほえみの郷トイトイと協力、共存を図ることで、地域の既存拠点の機能を拡充するための地域に根差した取り組みとして推進する。
関係者の集合写真
寄書を搭載した物流専用ドローン「AirTruck」の離陸を見守るさくら小学校の児童 （ほほえみの郷トイトイ駐車場）
さくら小学校の児童から送られた寄書を受け取った生雲小学校の児童と物流専用ドローン「AirTruck」（JAふれあい生雲支所駐車場）
山口市は総人口18万7726人（今年10月現在）を抱え、山口県のほぼ中央に位置し、豊富な緑や清澄な水を有する自然に満ちた都市。阿東地域は総人口4755人（同）で、県内有数の中山間地域かつ約300㎢と広大な面積を有しているものの、スーパーなど買い物機能を持った店舗はそれほど多くなく、高齢化率に至っては山口市全体が約30％なのに対し、阿東地域は約60％と2倍で、高齢化が進んでおり、自由な移動に支障がある住民の増加といった課題を抱えている。
各社は地域の窮状打開へ、今回の実証を通じ、ドローンなどを活用したスマート物流の有用性を確認した。
11月14日は小学校間の交流を想定して（さくら小学校の児童の寄書を生雲小学校の児童へ配送）、ほほえみの郷トイトイからJAふれあい生雲支所までの片道約7.4㎞を約16分で、急送品の輸送を想定して（阿東運動広場で実施されているグラウンドゴルフ大会の参加者向けの商品などを輸送）JAふれあい地福支所から阿東運動広場までの片道5.5㎞を約12分で、移動販売車へ商品の補充を想定して、JAふれあい地福支所から三谷ふれあいセンターまでの片道6.2㎞を約13分でそれぞれドローン配送した。
着陸ポイントの三谷ふれあいセンター上空に到着した物流専用ドローン「AirTruck」 （三谷ふれあいセンター）
配送された商品を受け取った阿東中学校の生徒と記念撮影 （三谷ふれあいセンター）
配送されたグラウンドゴルフ大会向けの商品 （阿東運動広場）
（藤原秀行）※いずれもセイノーHDやエアロネクストなど提供
