12月以降、経営側は事態回避へ「協議継続」
空港のチェックインカウンター受け付けや航空機の誘導、手荷物の積み降ろしなど地上支援業務を手掛けているスイスポートジャパン(大阪府泉佐野市)で、労働組合が今年12月以降、時間外労働に一切応じないと経営側に通告したことが分かった。
組合側は従業員1人当たりの業務量が増え、長時間労働の解消が進んでいないことなどを不満としているもようだ。経営側は「お客様や航空会社にご迷惑をお掛けしないよう、引き続き、組合側と協議を進める」と話している。
新型コロナウイルス禍からの回復で航空需要が持ち直し、海外からの訪日観光客も増加傾向にある。スイスポートジャパンの労働組合が実際に時間外労働拒否に踏み切れば、空港の混雑悪化など影響が出る可能性がある。
スイスポートジャパンは同業務の世界最大手スイスポートインターナショナルが2006年に新明和工業の子会社を買収して事業を開始、07年には丸紅との合弁に移行した。現在はスイスポートが51%、丸紅が49%を出資している。
成田空港や羽田空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港の6カ所に拠点を置き、国内外の航空会社など向けに同業務を提供している。会社ホームページによると、22年度の売上高は59億円。
組合には管理職以外の従業員1000人以上が加入しているとみられる。
同業務は人手不足などが進み、業務の負荷増大が課題となっている。今年8月には同業務を担う50社が業界団体「空港グランドハンドリング協会」を立ち上げ、人手不足への対策などを進める方針を表明していた。
(藤原秀行)
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