独自の注文・在庫管理システムなど展開
ベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・ブレインは11月16日、運営している「グローバル・ブレイン8号投資事業有限責任組合(GB8号ファンド)」を通じて、BtoB物流の効率化を後押しする注文・在庫管理システムなどを手掛けるフランスのスタートアップ、STOCKOSSに出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
(グローバル・ブレイン提供)
欧州の3PL市場は巨大な成長市場と見込まれる一方、大部分は中小企業のローカル3PL事業者が占め、デジタル化が遅れている。昨今BtoC物流は米国を中心に多くのスターアップがソリューションを提供し始めたものの、BtoB物流の方は取り扱いが難しくスタートアップの参入が少ないのが現状。
荷主は既存の3PLサービスに対して、最適な3PL事業者の発見、在庫・配送の見える化、コミュニケーションコストなどの課題を抱えており、3PL事業者側にも荷主拡大、慢性的な倉庫の空きスペース、マニュアル作業などの問題が存在。荷主・3PL事業者双方の課題を同時に解決する新しいサービスが求められている。
STOCKOSSは物流パートナーネットワーク(3PL事業者、輸送業者)を活用し、荷主にテイラーメイドの3PLサービスをオンデマンドで提供。さらに、独自開発の注文・在庫管理システムを提供し、日々のオペレーションをデジタルで管理して荷主・3PL事業者の業務工数削減も促進している。
競合スタートアップがBtoC物流にフォーカスしている中、同社はB2B物流に注力するという非常にユニークなポジショニングで成長している点に注目。現場オペレーションをよく理解して開発したプロダクトなどを高く評価し、出資を決めた。今後は他国への展開と物流パートナーシップの拡大を支援する。
(藤原秀行)