配送業務で非効率排除
アフリカを中心とした新興国で物流のDXを促進するアンドアフリカ（東京都千代田区神田佐久間町）は12月12日、配送業務の効率化をサポートする物流SaaS「Logi-IQ」のベータ版の提供を11月24日に開始したと発表した。
ベータ版は無料利用が可能で、正式版ローンチ予定前の2024年1月31日まで（期間延長の可能性あり）の期間限定で提供している。Logi-IQは配送工程の非効率を排除し、費用対効果を向上させ、物流状況を正確に制御することを目的に掲げている。
一般的に物流管理の領域は複雑性が高く、多くの課題が存在しており、各課題は業務の効率性を悪化させ、事業の利益率にもネガティブな影響を与えると強調。中でも物流業運営の上で最も重要と言えるタイムマネジメント・人財マネジメント・燃料費などのコストマネジメントにおける管理ミスや非効率な管理は、事業基盤の脆弱化につながると指摘している。
特にアフリカ諸国をはじめ新興国はコアリソースのマネジメントの効率性が乏しく、改善の余地が大きいエリアと解説。さらに、高額かつ導入体制の構築が必要なERPパッケージよりも、手軽なSaaSソリューションの導入が今後進んでいくと想定。アフリカ諸国などの新興国でこうした課題解決に寄与するソリューションとして、Logi-IQのベータ版をローンチさせた。
Logi-IQはルート最適化の機能を備えており、配送タスクの優先順位、ドライバーの空き状況・スケジュール、各種車両の収容能力、安全性の考慮事項を考慮しながらその時々で最適なルートを自動設定する。
ドライバーとしても、自身のスマートフォン上のアプリで自分がその日に完了させるべき配送タスク（一覧・詳細）と進むべきルートを容易に確認できるため、安全運転や末端顧客のケアに集中することが可能になると見込む。
また、ドライバーの空き状況・スケジュールと配送タスクを照合し、リソースの無駄や時間外労働を排除する形でドライバーの各配送タスクへの自動割り当てを済ませる。
各配送タスクの完了状況が管理者側・ドライバー側問わず一目で確認できる。管理者（アドミン）側では、管理者ダッシュボードを通じてタスク完了状況が概要から詳細レベルまで確認できる。ドライバー側はスマホのアプリ上で担当する配送タスクのステータスを更新できるため、アドミンとドライバーの管理のための負担を最小化すると見込む。
さらに、ドライバー用のモバイルアプリを使用すると、デジタルでタスクを完了できる（受け取り人のサインもスマホのアプリ上で取得・アップロード可能）ため、紙の印刷が一切不要となり、効率性の向上・コスト削減につながるとみている。
Logi-IQは蓄積していくデータを分析し、事業全体、期間ごと、ドライバー毎など様々な切り口でのパフォーマンスを可視化する。パフォーマンスはアドミン側で網羅的・視覚的に確認可能。ドライバーにも自分が関係するパフォーマンスについてのフィードバックを確認可能にしている。ドライバー評価の合理性向上、事業の継続的な改善が期待できると説明している。
現時点で南アフリカ、フィリピンでサービス提供中。2024年上旬中にボツワナ、その他アフリカ諸国（ガーナ、ナミビア、ケニア、タンザニア、ザンビアを含む）でサービスをローンチする予定
（藤原秀行）※いずれもアンドアフリカ提供
