安定的な手段確保とコスト低減両立、CO2削減も期待
NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は12月14日、グループ会社で東アジアリージョン(地域)を統括するNX国際物流(中国)有限公司、NX韓国の2社が韓国の釜山港と日本の地方港を結ぶ新たな国際海上輸送サービス「釜山ハブ×日本地方港」を開始したと発表した。
欧米・アジアとの輸出入貨物の多くが大都市近郊の主要港を経由して、トラックで日本各地へ輸送されており、「2024年問題」が迫る中、輸送手段を確実に確保することが重要になっている。
そうした状況を意識し、日本の地方港との航路が充実した韓国の釜山に在庫を保管し、受注後、日本各地の配送先に最寄りの地方港へ海上輸送する新たなサービスの開発に踏み切った。
新サービスを利用することで、日本国内のトラックによる輸送距離を短縮し、輸送手段の確保とコスト低減を両立できるほか、輸送時のCO2排出量も削減可能と見込む。
サービスのイメージ
日本国内の地方港に展開しているNXグループの30拠点と連携し、地方港経由の輸出入業務をサポート。特に正確かつタイムリーな本船動静情報の提供や、搬入時間やターミナル内作業に関する相談に対応する。
釜山港~日本の地方港の約週130便の日韓発着コンテナ航路を活用し、日本各地へ安定して輸送できるようにする。
使用する倉庫は、釜山FTZ(Free Trade Zone)にある自社倉庫を利用。在庫管理、梱包、仕分け、ラベリングなどの付帯作業に対応し、一元化による作業品質管理とコスト削減が可能とみている。
釜山ハブに加えて、日本の輸入貨物の半数以上を占める中国発輸送の輸入に関し、中国の青島にあるハブ倉庫を活用し地方港とつなぐ「青島ハブ×日本地方港」サービスも同時に開始した。
「釜山ハブ×日本地方港」サービスにおける日本の主な寄港地(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)