日本鉄鋼連盟が物流改善の自主行動計画策定、「作業2時間」ルール順守を重視

日本鉄鋼連盟が物流改善の自主行動計画策定、「作業2時間」ルール順守を重視

製鉄所などで実態調査、問題把握図る

日本鉄鋼連盟は12月20日、政府が6月に策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に基づき、「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」を作成したと発表した。

政府が同ガイドラインに沿って、各業界団体などに自主行動計画を取りまとめるよう要請していた。

同連盟の自主行動計画は、同ガイドラインが打ち出した物流拠点などでの荷待ち・荷役作業を原則2時間以内で終える自主的なルールへの対策を中心に策定。まず、製鉄所ごとや、品種・ケースごとの荷待ち・荷役作業時間の実態を調査、対策すべきケースを洗い出し、把握する方針を示した。

その上で、対策として、出荷能力の向上や出荷システム整備による出荷効率化、駐車場整備などによるドライバーの待機時間削減などを図る方針を打ち出した。

その際、製鉄所は管理区域が広く、敷地内に入ってから積み場まで時間を要するため、入出構の時間に関するデータでは荷待ち・荷役作業時間を正確に把握できないケースが多いとして、調査の対象は積み場に到着してから作業を終えるまでの時間と定義している。

また、鉄鋼ユーザーが加盟している約30の業界団体へ既に鋼材物流の効率化へ連携を呼び掛けたのに加え、原料のサプライヤーの約20団体に対しても同様に問題解決への協力を呼び掛ける方針を示した。

さらに、全日本トラック協会の鉄鋼部会、東京都トラック協会の鉄鋼専門部会と連携し、鉄鋼業界が抱える物流の課題に関する目安箱を設置。寄せられた情報は荷主間で共有し、輸送事業者とともに検討を進め、双方で協力して改善・解決を図ることも明記した。

(藤原秀行)

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