自転車の交通違反に「青切符」導入する道交法改正案を閣議決定

自転車の交通違反に「青切符」導入する道交法改正案を閣議決定

26年までに開始目指す、酒気帯びや携帯使用に罰則も

政府は3月5日の閣議で、自転車が絡んだ交通事故や歩行者と接触する事故が増加傾向にあるのを踏まえ、自転車に乗っている人の交通違反に反則金制度(交通反則通告制度)を導入する道路交通法の改正案を決定した。

自動車やバイクと同様、自転車に対しても軽い違反の場合は警察が違反者に「交通反則切符(青切符)」を渡し、違反者は期限内に反則金を払えば刑事処分を免れることができるようにし、違反行為の抑制を図る。

政府は今通常国会で成立すれば、2026年までに自転車対象の同制度を始めたい考え。

警察庁によれば、自転車が当事者となった死亡・重傷事故の4分3程度で自転車側の法令違反があったという。政府は2025年までに交通事故から24時間以内の死者数を2000人以下に抑える目標を掲げており、達成へ規制強化に乗り出すことにした。

同制度の対象となる運転者は16歳以上で、信号無視や指定場所での一時不停止、右側走行などを青切符の対象にすることを想定している。

改正案は併せて、車道を走る自転車を保護するため、横を通過する自動車などは一定以上の間隔を空けるよう義務付けることも定める。

反則金制度は1967年から自動車やバイクを対象に展開している。飲酒運転などの悪質で重大な違反を除いて青切符を交付している。

自転車に関しては、悪質な違反の場合は刑事処分を科す対象となる「交通切符(赤切符)」を交付、取り締まっているが、反則金は対象外だった。赤切符に該当する事案でも捜査に負担が掛かることなどから、実際に起訴まで至るケースは少なく、違反の抑止力に疑問符が付いていた。

青切符の運用も始めることで、抑止力を高めることを目指す。

改正案は並行して、自転車の酒気帯び運転や、運転中の携帯電話使用に関し、罰則を新たに設けることも打ち出している。

(藤原秀行)

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