「運輸・倉庫」の景況感、2月は2カ月連続悪化

「運輸・倉庫」の景況感、2月は2カ月連続悪化

帝国データ調査、株価上昇も「2024年問題」が心理面で重しか

帝国データバンク(TDB)が3月5日公表した2月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が41.9で、1月から1.6ポイント低下した。前月から悪化したのは2カ月連続。

水準自体は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月(44.9)並みの水準に戻ったものの、最近は改善と悪化が混在した動きとなっており、運輸・倉庫業界に先行きへの不信感が根強いことをうかがわせた。

経済全体では日経平均株価が2月に史上最高値を更新したものの、「2024年問題」のスタートが目前に迫り、ドライバーの労働時間短縮を迫られることも心理面で重しになっているとみられる。

全業種ベースの景気DIは2月が前月比0.3ポイント下がって43.9でやはり小幅ながら2カ月続けて悪化した。物価高騰を受けた消費者の節約志向の高まりや自動車の生産・出荷停止などが悪材料になったもようだ。

TDBは今後の景況感について「悪材料が集中し下振れるが、夏以降から賃上げなど個人消費を中心に緩やかに持ち直すとみられる」と展望している。

運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「取り扱いが精密機器に限るが、2023年よりも荷動きが活発」(普通倉庫)、「2024年問題が着地すれば、少し良くなると考える」(こん包)と前向きな声が出た。

半面、「石油化学製品の出荷の減少傾向が継続する見込み」(港湾運送)、「物価高騰による荷動きの低迷」(沿海貨物海運)、「物価高騰も止まらず、それに係る運賃の転嫁も進まないまま拘束時間・時間外労働の短縮規制に入ることが死活問題である」(一般貨物自動車運送)との厳しい見方もあった。

調査は2月15~29日、全国2万7443社を対象に実施、41.1%の1万1267社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は460社が回答した。

(藤原秀行)

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