大和ハウス、物流施設など「事業施設」の不動産投資3500億円を予定

大和ハウス、物流施設など「事業施設」の不動産投資3500億円を予定

3年間の新中計で積極姿勢堅持、売上高は21年度に1兆1400億円目標

大和ハウス工業は5月13日、新たに2019~21年度の3年間を対象とする第6次中期経営計画を発表した。

物流施設や工業団地を柱とする「事業施設」などを成長分野と位置付けて引き続き新規案件開拓に注力するほか、海外展開も加速。全体の業績目標として21年度に連結売上高を18年度実績から9・8%増の4兆5500億円、営業利益を8・8%増の4050億円にそれぞれ引き上げることを盛り込んだ。

新中計は経営の外部環境に関し「東京オリンピック・パラリンピック後の国内経済の先行きは不透明感がある一方、新たなニーズの拡大や海外市場の成長など、事業機会は少なくない」との認識を表明。

戸建て住宅に加え、マンションや物流施設、商業施設、工場など多岐にわたる事業領域を活用し、持続的な成長を確立するとのシナリオを描いた。

セグメント別の業績目標として、物流施設などの事業施設は21年度に売上高を18年度実績から11・1%増の1兆1400億円(うち海外1200億円)、営業利益を 9・7%増の1100億円(同50億円)まで高めることを打ち出した。

不動産投資に関しては、期間中の投資を7000億円(5次中計実績7658億円)、売却を4000億円(3310億円)と見積もっている。このうち事業施設の投資は3500億円(3964億円)とする方向だ。物流施設などの開発に加え、最適なタイミングでの売却も積極的に進め、リターンを確実に得ていく構えだ。

併せて、物流施設などの事業施設でも、開発に加えて改修や建て替えによる価値向上に注力する。

海外売上高は全体で18年度実績から43・6%増の4000億円まで伸ばす戦略。ASEAN(東南アジア諸国連合)域内では工業団地の開発を引き続き推し進めるとともに、関連で物流施設の需要も掘り起こしていく予定。


新中計の投資計画概要(大和ハウス工業資料より引用)

※写真はマレーシアのクアラルンプール郊外で開発予定のマルチテナント型物流施設「Dプロジェクト マレーシアⅠ」完成イメージ(大和ハウス工業提供)
(藤原秀行)

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