規模拡大で分配金増額など狙う
Jリートのスターアジア不動産投資法人の資産運用を手掛けるスターアジアグループは5月10日、同投資法人と同じくJリートのさくら総合リート投資法人を合併させることを投資主(企業の株主に相当)に提案したと発表した。
さくら側から事前に合併への同意を取り付けておらず、Jリートで初めて投資法人が明確に賛同しないまま合併に動くケースとなる。今後Jリートの再編促進につながるかどうかが注目される。
スターアジア不動産投資法人はオフィスビルや住宅、ホテルのほか、現時点で首都圏の物流施設8件をポートフォリオに組み入れている。ガリレオ・グループと日本管財グループをスポンサーとして2016年に発足したさくら総合リート投資法人はオフィスビルと商業施設、住宅がメーンで、物流施設には現在投資していないが工場2件がポートフォリオに入っている。
スターアジアはさくらの投資口を約3・6%保有している。スターアジア側は両投資法人が合併することでポートフォリオの厚みが増し、起業の株式配当に相当する分配金増額などを図ることが可能と説明。まず7月上旬にさくらの臨時投資主総会を開いて、さくらの資産運用をスターアジアの資産運用会社が担うよう変更することなどを提案する構え。
一方、さくらは5月11日、臨時投資主総会の開催提案に対し「本請求の内容を慎重に検討の上、(方針を)決定次第お知らせする」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)