TOBの開始時期延期を要請
C&Fロジホールディングス(HD)は4月10日、同社にTOB(株式公開買い付け)を実施し買収を目指す意向を表明しているAZ-COM丸和ホールディングスに対し、質問事項を同日付で送付したと発表した。
AZ-COM丸和が3月にTOB実施の意向を表明した際、実際にTOBまで踏み切る時期のめどを5月上旬としていることについて、猶予期間が1カ月強と設定した理由を尋ねるとともに、株主が適否を判断する時間的な余裕が足りないと主張、TOB開始時期の延期も求めている。
また、AZ-COM丸和が2022年以降、C&Fロジに経営統合を提案した際、C&Fロジから真摯な検討姿勢を感じられなかったと表明した根拠を聞くとともに、AZ-COM丸和がTOBを経てC&Fロジを傘下に収めた場合に大口顧客の離反を招くリスクがあるとの見解を示し、事業の相乗効果についても質問している。
TOB開始延期の要求については、AZ-COM丸和が交渉に応じることを条件に「デューデリジェンス(資産査定)に協力する用意がある」と述べている。
C&Fロジは今回の質問事項送付が「当社の意見を表明するものではない」と強調、AZ-COM丸和からの回答などを踏まえ、正式に意見を決定した後にあらためて説明すると言及している。
質問事項では、AZ-COM丸和の和佐見勝社長が今年3月時点でC&Fロジ株式の3.35%を保有している理由や、同社長が79歳で数年以内に代表取締役を退く可能性があり、その場合に経営方針に及ぼす影響への見解をただしている。AZ-COM丸和の自己資本比率が昨年12月末時点で39.7%にとどまり財務面でリスクを抱えていることへの認識も聞いている。
ホワイトナイト探索報道に「決定している事実はない」
併せて、C&Fロジは4月10日、海外金融メディアのMergermarket(マージャ―マーケット)が4月9日、C&FロジがAZ-COM丸和のTOB表明を受けてホワイトナイト(友好的買収者)を探していると報じたことについて「複数の初期的な提案を受領したことは事実だが、当社が現時点において決定している事実はない」とのコメントを発表した。
現状について、経済産業省が昨年8月に公表した「企業買収における行動指針」に沿って真摯に検討しており、「正確な情報開示の観点から、対応について何か決定した場合や開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせする」と記している。
(藤原秀行)