商船三井グループが日本初、内航モジュール船による洋上風車基礎部材輸送を実施へ

商船三井グループが日本初、内航モジュール船による洋上風車基礎部材輸送を実施へ

JFEエンジニアリング向け、造船契約も締結

商船三井は4月15日、傘下の商船三井ドライバルクがJFEエンジニアリングと海上運送契約を締結したと発表した。

併せて、商船三井は泰州三福重工集団有限公司(Taizhou Sanfu Ship Engineering)と同契約に投入予定の新造モジュール船の建造に関する造船契約を結んだ。商船三井によると、本件は日本初となる内航モジュール船を生かした洋上風車基礎部材輸送になるという。

本船は2026年春の竣工を予定しており、JFEエンジニアリングが24年4月に操業を開始した洋上風力発電用基礎モノパイルの製造拠点(岡山県笠岡市)から、国内洋上風力発電建設予定地に向けた洋上風力基礎の内航海上輸送に投入する。

本船は商船三井ドライバルクの管理の下、商船三井内航が運航を担う計画。

本船は、先行する欧州市場で実績を積んだ最新のデザインをベースに設計。非自航台船と比較して高い耐候性能を有するほか、ダイナミックポジショニングシステム(DPS、 自動船位保持装置)を搭載し、貨物を風車建設サイトのSEP船(自己昇降式作業台船)へ直渡しすることも検討することができる。

モジュール船はフラットな甲板を有し、モノパイルやタワー、ブレード、ナセル、浮体基礎といった風車部材を船尾・船側方向から多軸台車などで直接積み込むことが可能な上、あらゆる大型重量物の輸送に対応できるのが特徴。

今後、国内洋上風力発電の進展に伴い、風車部材の国内輸送における需要拡大が見込まれるため、様々な場面での活躍を想定している。

商船三井ドライバルクは現在、載貨重量3700t級のモジュール船を定期用船の上、陸上・洋上風車部材やプラント貨物、舶用機器などのアジア近海への輸送サービスを展開しており、モジュール船の運航ノウハウを生かして本件でも海上運送における顧客ニーズに対応していく構え。

(藤原秀行)※いずれも商船三井提供

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