軽油からの切り替え検討、温室効果ガス排出削減図る
三菱倉庫は4月8日、グループの菱倉運輸と伊藤忠エネクスが、名古屋港を起点とするコンテナ輸送用車両に環境負荷の低いバイオ燃料のリニューアブルディーゼル(RD)を活用する実証実験を今年1月に開始したと発表した。
実験は名古屋港からコンテナ輸送を行うトラクタヘッド 1台の使用燃料を、軽油からRDに代替、脱炭素を推進することを念頭に置いている。
この車両はキリンビールの名古屋工場と滋賀工場へ原料を一部輸送しているほか、その他顧客への製品輸送に当たっている。名古屋港を起点とするコンテナの定期輸送車両の使用燃料にRDを使用するのは今回が初めてという。
RDは世界最大のリニューアブル燃料メーカー、フィンランドのNeste(ネステ)から伊藤忠が輸入し、伊藤忠エネクスが菱倉運輸に供給している。菱倉運輸と伊藤忠エネクスは実証実験の結果を踏まえ、名古屋港を起点とする陸上輸送でRDの本格活用や、他のエリアでのRD使用などを目指す。
ネステのRDは食料と競合しない廃食油や廃動植物油などを原料に用いている。ライフサイクルアセスメントベースの温室効果ガス排出量で石油由来の軽油と比べて約90%削減を実現できるという。
また、RDは「ドロップイン」燃料として、既存の車両や機械、給油関連施設を活用できるため、導入のハードルが低く、既に欧米を中心に広く流通の実績がある。
実証実験で使用するトラクタ
ネステのRD(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)