危険地点で自動注意喚起、25年度めどに展開目指す
あいおいニッセイ同和損害保険は4月24日、福井県と越前市、村田製作所の3者と連携し、小学生の交通事故防止に向けたテレマティクスデータと音声アラートを活用したソリューションの実証実験を5月に始めると発表した。
警察庁などによると、近年、歩行中の小学生が交通事故で死傷する件数は横ばいで推移しているものの、小学校入学を機に行動範囲が広がる7歳児の死傷者数は年齢別で最多を記録しており、学年の小学生に対する交通安全対策が喫緊の課題となっている。一方、低学年の小学生が交通事故の危険性を常に意識することは困難であり、地域住民や保護者らによる交通安全活動も行われているものの、全ての地域を網羅することは難しいのが現実。
そこであいおいニッセイ同和損保は村田製作所と組み、児童が交通事故に遭遇することなく、安全・安心な通学や外出を可能にするため、通学路を含む地域の危険地点を判定し、その地点で児童へ注意喚起を行うソリューションを開発した。
効果検証のため、福井県で地域独自の安全安心マップ「キッズセーフ」を導入し交通事故削減などの地域課題解決に努めている越前市の国高小学校で実証実験を開始する。
ソリューションの概要
こえかは村田製作所が開発し、今年3月に一般販売を開始した、児童の交通安全のために自動で声かけができる交通安全ブザー。見通しの悪い交差点や交通量の多い横断歩道など、保護者がスマートフォン上の専用アプリからあらかじめ設定しておいた危険箇所に児童が近づいた際、小型専用端末から「左右を確認してから渡ってね」などの音声でアラートを発する。
端末はGNSS(測位衛星システム)を利用した測位機能を備え、登録地点に到達したことを検知できるため、大人の目が届かない場所でも自動で注意喚起ができるのがメリット。
実証実験でソリューションが「児童の交通事故防止」に有用と確認した場合は、2025年度をめどに福井県全域を含む全国の自治体に展開していきたい考え。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用